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早わかり昇段審査と解説書・日本剣道形四本目
打太刀は八相の構え 仕太刀は脇構え
黒字は解説書 青字は指導法
打太刀は八相の構え、仕太刀は脇構えで、互いに左足から(1)進み間合に接したとき、打太刀は機を見て八相の構えから、(2)諸手左上段に、仕太刀もすかさず脇構えから、諸手左上段に変化して、互いに右足を踏み出すと同時に、十分な気勢で相手の(3)正面に打ち込み、(4)切り結んで相打ちとなる。 |
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(1) | 八相の構えと脇構えから3歩進み、互いに諸手左上段に変化し、右足を踏み出して大技で切り結ぶ。 |
(2) | 諸手左上段に振りかぶる程度は、両腕の間から相手が見えるくらいとする。 |
(3) | イ.相手の正面に打ち込むときは、諸手を十分に伸ばす。 ロ.四本目は、大技を示したものであるから、大きく伸びるようにするのがよい。そのため、間合のとり方に特に注意しなければならない。 |
(4) | イ.斜め打ちにならないよう、まっすぐに振りかぶって打ち下ろす。 ロ.いったん上段をとってから打ち込むのではなく、振りかぶりと打ちとは、一拍子で行なう。 |
(5)相打ちとなってからは、双方同じ気位で互いの刀身が鎬を削るようにして、白然に相中段となり打太刀は機を見て刃先を少し仕太刀の左に向け、右足を(左足もともなって)進めると同時に、諸手で仕太刀の(6)右肺を突く。 |
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(5) | 相打ちになったとき、間合が近すぎる場合は打太刀が間合をとる。 |
(6) | 打太刀が物打の左鎬で巻き押さえながらすり込みつつ突くはなを仕太刀は巻き返すので、打太刀の上体は、やや前がかりとなる。そのときの剣先の高さは、水平よりやや低めとなり、刃先は右を向く。 |
仕太刀は、左足を左前に、右足をその後ろに移すと同時に(7)大きく巻き返して(8)打太刀の正面を打つ。 |
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(7) | 左拳を頭上に上げると同時に、刃先を後ろにして巻き返す。 |
(8) | イ.斜め打ちにならないように、まっすぐに大きく振りかぶって打つ。 ロ.いったん頭上で止めて打つのではなく、巻き返しと打ちとは、一拍子で行なう。 |
打太刀は左足から、仕太刀は右足から、十分に(9)残心の気位を示しながら相中段になりつつ、抜き合わせた位置にもどり、剣先を下げて元の位置にかえる。 |
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(9) | 二本目と同じように、形に表さないので、十分な気位を示す。 |
=== 構えの説明 === 【八相の構え】 諸手左上段の構えから、そのまま右拳を右肩のあたりまで下ろした(10)形で、(11)刀をとる位置は、鍔を口の高さにし、口からほぼ拳1つ離す。構えるときは、(12)左足を踏み出し、刀を中段から大きく(13)諸手左上段に振りかぶる気持ちで構える。刃先は相手に向ける。 |
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(10) | このとき、左拳の位置はほぼ正中線上とする。 |
(11) | 刀身の傾きは、約45度とする。 |
(12) | 右足先は、やや外側を向く。 |
(13) | 上段に振りかぶってから、八相の構えに移行するのではない。 |
【脇構え】 右足を(14)後ろにし、左半身となり、刀を右脇に剣先を後ろにし、刃先は右斜め下に向ける。剣先は下段の構えより少し下げた(15)位置にとる。構えるときは、右足をひきながら、刀を中段から(16)大きく右脇にとる。特に刀身が相手から見えないように構えなければならない。 |
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(14) | 足先は、やや外側を向く。 |
(15) | このとき左拳は「臍」の右斜め下約ひと握りのところにおく。(左手首は曲げない) |
(16) | 右拳が、おおむね口の高さを通るくらいに、大きくとる。 |